椎間板ヘルニアが便秘の原因になる事実をまだ知らないのですか?
椎間板ヘルニアとは
あなたも椎間板ヘルニアって聞いたことがあるかもしれませんね。
よく腰痛になると疑われる病気の一つで腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれています。
椎間板とは24個ある背骨の骨と骨の間にあるクッションの働きをしている軟骨のことを言います。
この椎間板は内側に髄核(ずいかく)とよばれるコラーゲンが主成分のゲル状のものと、外側に線維輪と呼ばれる線維質の軟骨で何重にも覆われています。
その椎間板が神経を圧迫して激しい痛みを感じるのが椎間板ヘルニアなんですが大きく分けて2種類あります。
1つは脱出型と呼ばれるもので、線維輪にヒビが入って中の髄核が出てしまい神経を刺激して痛みを感じるものです。
もう1つは膨隆型(ぼうりゅうがた)といわれるものです。
これは繊維輪にはヒビは入らないのですが、変形することによって神経が圧迫されるものです。
そして腰痛をはじめ腰や足のしびれ、症状が進むと歩きづらくなる(つまずきやすい)などの症状が現れます。
便秘の原因は椎間板ヘルニア?
腰痛で便秘になるのにはさまざまな原因が考えられます。
腰椎椎間板ヘルニアになると排便しづらくなり便秘になることがあるのです。
これは神経が圧迫されているからですが、排便だけでなく排尿にも影響が出たりします。
必ずしも症状が出るわけではありませんが、比較的重症の方のほうが出る傾向にあるようです。
圧迫されるのは腰の神経だけでなく排便や排尿をコントロールしている神経にも関係があるとされています。
この様な症状が出てきますと椎間板ヘルニアも重度になり治療も難しくなる場合があります。
また、激しい痛みが続いていると便意があっても排便、排尿がとても辛いものになってしまいます。
痛みがなければスムーズな排便ができますからね。
特に妊娠中の方は便秘にもなりやすい上、ヘルニアも起こしやすくなっています。
これは体型やホルモンの変化が大きく関係しています。
椎間板ヘルニアの治療方法
保存療法
ブロック注射
ブロック注射と呼ばれる痛みを止めたり、やわらげたりする注射をします。
これにはステロイド薬や麻酔薬が使われますが、効果が効いている期間には個人差があり短期間しか効かない人もいれば長期間効く人もいるようです。
薬物療法
さらに薬物療法として筋弛緩薬(きんしかんやく)や非ステロイド性消炎鎮痛薬、神経性疼痛緩和薬などを使います。
これらの治療は運動神経、知覚神経、交感神経に働きかけて症状の緩和や改善をするもので、筋肉をほぐしたり、痛みをやわらげる、炎症を抑える効果があり、飲み薬や座薬、塗り薬など様々です。
理学療法
他には理学療法をおこなう場合もあります。
発症して痛みが落ち着いてからになりますが、器具を使って強制的に腰を伸ばしたり、ストレッチや筋肉を強化するための運動をおこいます。
この温存療法はずっと続けるものではないので、基本的に症状の影響がなくなれば治療が終了となります。
手術による治療
保存療法で改善されない場合や効果が見込めない場合には手術を行うことがあります。
特に症状が重く日常生活に支障がある方に実施されます。
手術は様々な方法があり従来の切開手術、内視鏡による手術、レーザーによる手術、顕微鏡手術などです。
切開手術
切開手術の場合は全身麻酔でおこなわれ、神経を圧迫している箇所を切除しますが、3週間程度の入院が必要になります。
内視鏡手術
内視鏡の手術でも同様に全身麻酔ですが傷跡も小さいので出血も少なく、術後の痛みや回復が早く1週間程度の入院です。
レーザー手術
レーザーによる手術は数ミリの針を刺し椎間板にレーザーを照射して神経を圧迫している髄核を焼いて治療する方法で、傷も針の穴だけで目立たず、日帰りか1泊程度で帰宅できます。
顕微鏡手術
切開手術と比べて傷口も小さく出血の少ないのが特徴で術後の痛みも少なく1週間~2週間で退院できます。
椎間板ヘルニアの予防
姿勢に気を付ける
中腰の姿勢に気を付け、特に前かがみにならないようにする。
物を持ったりするときに注意したいのは、体から離れた位置で持つことは腰への負担がとても大きくなりますので、なるべく体の近くで持つようにしましょう。
この時に背中を丸めないようにして、腰を曲げるのではなく膝を折り曲げて高さを調整すると良いです。
同じ姿勢を長時間続けないで、時々動かすよう心掛ける。
ずっと立ちっぱなしだったり、座りっぱなしで同じ姿勢でいるのは腰へストレスが掛かり、ダメージを大きくしてしまうことがありますので、時々は動いて緊張をほぐしてあげます。
床に座る時は背中を壁などにもたれかかるようにすると楽になります。
猫背にならないように背中を伸ばすことを意識する
猫背にならないように意識して、イスに座るときは深く腰掛ける、立つときは頭の上から糸で吊られているイメージを持つと良いでしょう。
猫背になりがちな方は気を付けてください。
寝る時は横向きで少し腰を曲げた姿勢で、うつ伏せは避ける。
睡眠時は硬いすぎる布団や柔らか過ぎる布団は、どちらも腰にとって悪影響を与えてしまいます。
高反発のマットレスが評判が良いようですが、出来れば一度横になってみて寝心地を確かめるのが良いと思います。
運動やストレッチをする
椎間板ヘルニアの予防として運動やストレッチはおススメです。
ただし注意したいのは激しい運動や負荷の大きな運動は絶対に避け、無理をしないでください。
ウォーキングをする
運動の一つにウォーキングがあります。
走ることは腰や背中に大きな負担をかけることになりますが、歩くことでしたら負担も少ないのでご自分のペースで歩いてみましょう。
ウォーキングはストレスの解消と便秘の改善にも効果的です。
最初は短時間でもかまわないので少しずつ時間をのばして、できる範囲で続けることが大切です。
ただし服装や靴には気を付けて、体温を上手に調節したり足を痛めたりしないように注意してくださいね。
腹筋と背筋を鍛える
腹筋と背筋の両方を鍛えましょう。
片方だけの運動ではバランスがくずれてしまいますので、必ず両方を鍛えるようにします。
この時も負荷をかけ過ぎると筋肉を痛めてしまいますから、軽い負荷で少ない回数から始めると良いでしょう。
食事に気を付ける
食事で最も大切なのはバランスよく食事をすることです。
ファーストフードやインスタント食品、ソフトドリンクばかりの食事では栄養も偏ってしまい、骨や筋肉をはじめ健康な体を維持できません。
必要な栄養を必要な分だけ摂るのが理想ですので、ここで見直してみてはいかがですか?
暴飲暴食をすると便秘の原因にもなってしまいますので、注意が必要です。
つまりバランスの良い食事は便秘の予防や解消に役立ちます。
予防的な意味合いでコラーゲン、グルコサミン、コンドロイチンを摂るのは良いかもしれませんが摂り過ぎは要注意です。
胸やけや吐き気、下痢などの症状があらわれることがありますので気を付けてください。