便秘のときに血便が出るあなたは気をつけて!疑われる3つの病気
便秘で血便がでる原因
痔になっている可能性がある
あらわれる症状
便に血が混ざるときは切れ痔になっている場合があります。
排便のときに便が硬かったり、下痢で便が勢いよく排泄されると、肛門の皮が傷つけられて出血するのです。
これは裂肛(れっこう)や裂け痔とも言われています。
悪化すると慢性化してしまい、ポリープやイボができることもあります。
そして肛門狭窄症(こうもんきょうさくしょう)と言って、肛門が狭くなり排泄が困難になる症状があらわれたりします。
治療方法について
切れ痔は多くの場合、薬によって改善ができます。
そして初期のうちに治療と同時に、便を柔らかくすることが必要になります。
その理由は便が硬いままですと、再び肛門が切れて切れ痔の症状を繰り返すので完治しないからです。
せっかく薬や手術で治療をおこなっても無駄になってしまいます。
またイボやポリープが薬で治らない場合や、肛門狭窄症(こうもんきょうさくしょう)で肛門が狭くなり状態が悪いと手術による治療になります。
便の硬い方はコロコロした便が出たりすることがあるかと思います。
そんなときには水溶性食物繊維を摂るようにしましょう。
大腸炎の疑いがもたれる
あらわれる症状
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)になっている可能性があります。
この病気は大腸の粘膜に潰瘍ができる病気で下痢や血便の症状がみられ、便秘になる方や、熱が出たりする方もいます。
腸以外でも関節炎で膝痛などになったり、目に炎症が起きる、血栓ができる、その他に脊椎や胆管にも影響を及ぼします。
発症するのは20歳代の方に多い傾向があります。
他にも虚血性大腸炎(きょけつせいだいちょうえん)の場合があり、腸へ送っている血液が急激に少なくなるためにに発赤(赤くなること)、浮腫(むくみ)、潰瘍などの症状があらわれます。
突然の激しい腹痛(左下腹部が多い)や下痢になり、下血はしばらく続いたりします。
治療方法について
潰瘍性大腸炎の場合、薬による治療が基本ですが、何種類かの薬を用いておこなわれます。
腸の炎症を抑えるのが目的の薬ですが、副腎皮質ステロイド薬、免疫調節薬などが用いられます。
日常の生活を見直して免疫力を上げておくことも大切です。
重症になり炎症が広範囲に及ぶ場合には手術をおこなって、患部の一部やほぼ全体を切除する場合もあります。
ほぼ全体を切除した後には、小腸で便をためる回腸嚢(かいちょうのう)をつくり肛門の機能をもたせる手術が主なやり方となっています。
一方、虚血性大腸炎は腸を安静にするために、1日~2日の絶食と点滴をおこなうことにより回復しますが、これは一過性の場合だけです。
腹痛や下血の症状が重い場合には入院して治療を行なうことになります。
さらに重度の症状になり壊死があったり、腸が極端に狭くなり障害がある場合には手術が必要になることがあります。
大腸ガンかもしれない
あらわれる症状
初期の大腸ガンは自覚症状がほとんどあらわれません。
ガンが進行すると便秘や下痢を繰り返して、下血したり便に血が混ざることがあります。
便が細い、残便感があるなどの症状があらわれ、腹痛になる、お腹にしこりがあったり張りを感じたりします。
さらにはおう吐、貧血、体重が減ってくることもあるので注意が必要です。
これらの症状があらわれたらすぐに肛門科や外科で検査を受けましょう。
また、急に便秘になった場合にも、何らかの病気が原因で便秘になっていることもあります。
治療方法について
大腸がんは早期発見により完治する可能性が高くなります。
早期発見ができるかできないかで治療内容も体への負担も全然違ったものになるのです。
治療方法は内視鏡によるものから、手術、放射線治療、抗ガン剤を用いた化学療法とさまざまです。
それぞれの症状にあわせて適切な治療がおこなわれますが、再発時の早期発見のために定期的な検査をおこないます。
ですから治療後のケアがとても大切になってきます。
血便が出た時の対処方法
血便が出たりすると、とっても心配になりますよね。
特に毎回の血便は明らかに異常ですが、まずは冷静になりましょう。
そしてすぐに病院へ行きましょう。
血便は何等かの異常が起きている証拠ですから、いつまでもそのままにしておいてはいけません。
トイレの時にご自分の便がどんな便か知っておくことはとても大切で、汚いなんて思わずに便の状態、色、形をよく観察しておきます。
病院でも問診のときに詳しく説明しましょう。
まとめ
便秘は根本的な改善が大切です。
そのためにも、あなたの便秘の種類を知ることによって、それにあった改善をしていきましょう。
そうすることで排便の時の出血が防げる場合もあります。
これらの病気は症状が出てはじめて気付く事が多いです。
出血だけでなく痛みなどを伴う場合もあるかもしれません。
排便時や便には腸からの良いメッセージや悪いメッセージが必ずあるはずですから、絶対に見逃さないようにします。
早く回復するためにも自己判断で大丈夫などと思わないようにしてください。
早期発見がいかに大切かを認識して、早めの検診を受けるのが良いでしょう。