パーキンソン病は便秘を引き起こす原因になるって知っていますか?
パーキンソン病とは
パーキンソン病は手足が震える、筋肉が硬くなって関節の動きが悪くなる、体の動きが遅くなるといった症状が起こります。
原因は脳にある黒質(こくしつ)といわれる場所の細胞が減ってしまうことによって、ドパミンの量が少なくなり脳からの指令が伝わりにくくなるからです。
ドパミンは快感や幸福感、満足感などを感じるときに多く分泌される脳内ホルモンです。
例えば「よーし、頑張るぞ!」とか「やっとできた、うれしい!」などのポジティブな感情の時にたくさん分泌されます。
その他の症状として頻尿、汗が多く出る、不眠、うつ症状、めまいや立ちくらみが起こる起立性低血圧などがあらわれたりします。
症状が進行するスピードが遅いので気付かないことが多く、気付いたときにはある程度進行している場合があります。
便秘と関係はあるの?
便秘になる原因はさまざまです。
食事やストレスなどの日常生活の問題であったあり、病気が原因している場合もあります。
実はパーキンソン病にかかると便秘になることがあるのです。
これは自律神経に影響が及ぶことが原因で、便を押し出そうとするぜん動運動が弱くなるからです。
また肛門のすぐ手前の直腸にある肛門括約筋(こうもんかつやくきん)は、脳からのコントロールが上手くできなくなると、筋肉を締めたままにしてしまいます。
すると便が溜まった状態になっても、排出ができないといったことが起こります。
パーキンソン病になって体を動かすことが減ってくると、どうしても運動不足になり腸の動きが悪くなります。
さらに食事量が少なくなることで、便の量も減ってしまい便秘になりやすいと言えます。
その他にもパーキンソン病の治療薬による影響が出ることがあります。
ですから便秘になってしまったらできることから改善しましょう。
パーキンソン病の治療
薬物療法
薬物療法には2つの目的があります。
一つは不足しているドパミンの代わりとして働きを補うためのものです。
もう一つはドパミンの不足によって影響を受けた他の細胞を助けるためのものです。
この薬物療法には副作用が出ることがあります。
実際にはないものが見える幻覚、音や声がないにもかかわらず聞こえる幻聴があります。
その他にはウェアリング・オフといって薬の効いている時間が短くなって最終的には効かなくなります。
オン・オフ現象は急に薬の効き目がなくなったり、反対に急に薬の効果が出てきます。
ジスキネジアは自分で動かそうとしなくても、勝手に体が動いてしまう症状です。
[table “16” not found /]外科療法
手術の目的は病気そのものを完治させるためのものではなく、薬物療法と合わせて治療を続けていくためのものです。
定位脳手術は脳の一部分の神経細胞を破壊して働きを止めたり、電気的な刺激を与えるための電極を埋め込む手術です。
これは深部脳電気刺激療法(DBS)といって手術によって埋め込まれた電極が、パーキンソン病にかかわる神経を刺激して治療する方法です。
リハビリテーション
リハビリは筋力を落とさないようにしたり、関節を柔らかく保つために取り入れている方法のひとつです。
筋肉がこわばったり、硬くなっている場合には動かしてあげることで症状を遅らせることができます。
また転びやすくなるのでバランスをとる練習や呼吸方法、発声練習など様々な方法でおこないます。
リハビリは早くから始めて継続させることがとても大切です。
まとめ
パーキンソン病の症状がでたり、おかしいなと思ったらすぐに病院で診察を受けましょう。
一度発症すると進行を止めることむずかしい病気がパーキンソン病です。
症状が進むと日常生活にも影響がでる場合もあるかもしれません。
ですが様々な治療方法もありますので、早期発見で早めに治療をスタートすることが重要です。
適切な治療をおこなうことで進行を遅らせることができます。