漢方薬を便秘の解消に使いたいときの注意点とその種類
漢方薬ってどんなもの?
私たちは具合が悪い時やけがをした時に漢方薬を使う事がありますが、そもそも漢方薬ってどんな薬でしょうか。
薬の事を知ることで効果や使い方に関心を持つのは大切な事です。
漢方薬は薬用とされる植物などを生薬として混ぜ合わせたもので、その状態からいくつかの種類に分けられます。
その混ぜ合わせた生薬を煎じて飲む煎じ薬、粉末にして飲むタイプ、薬の成分を濃縮したエキス、錠剤、粒状にした丸剤に分かれています。
その他にも外傷には軟膏があり、それぞれの症状に合わせて使われています。
便秘改善に良い漢方薬の種類
便秘のときに処方される漢方薬は何種類もあります。
使う人の体質や症状にあわせて処方されます。
その中からよく使われる代表的なものを見ていきましょう。
桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)
膨満感や腹痛があり便秘の方に用いられます。
また便意があっても少ししか出なかったりスッキリしない方や体質が虚弱のお年寄りなど、普段から便秘がちの方に処方されます。
胃腸が弱まっている方は使用するにあたって注意してください。
大柴胡湯(だいさいことう)
お腹が張ったりして便秘がちな方、耳鳴りやめまいのある方に処方されます。
体格ががっちりしたタイプの方に用いられる薬で、排便を促したり炎症を抑える働きがあります。
胃腸が弱く下痢をしやすい方や吐き気やおう吐の症状が出やすい方は要注意です。
麻子仁丸(ましにんがん)
慢性的な便秘で、便がコロコロして硬い場合に効果があり、便を柔らかくしてくれて排便を助けます。
高齢の方によく用いられます。
普通程度からやや体力のない方に処方されますが、体力が落ちていたりして弱っている時には注意してください。
大甘丸(だいかんがん)
腸を刺激することによって排便を促します。
その他にも湿疹やニキビ、食欲がない時、のぼせ、痔などの症状を緩和する働きがあります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
便秘だけでなく、便秘に伴う頭痛、肩こり、のぼせ、生理痛の他に自律神経失調症や更年期障害にも効果的で体が弱い方に処方されます。
イライラしたり精神的に不安定なときに調子を整える効果が期待されて用いられます。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
便秘や肥満症、むくみ、のぼせ、そしてこれらの症状を伴う糖尿病や腎臓病などに用いられます。
体力があって肥満タイプの方に使用されますので、虚弱体質であったり胃腸が弱っている方、心臓病や高血圧などの方は注意が必要となります。
乙字湯(おつじとう)
便通を良くして痔の炎症を抑えてくれる薬として使われています。
比較的体力のある方に処方されますが、吐き気やおう吐があったり、食欲がない、胃腸が弱っている方は十分に注意して使用してください。
漢方薬を使うにあたって
漢方薬も強い効きめのあるものがたくさんあります。
ですから正しい飲み方、効果的な飲み方を理解しておくことは必要です。
それにはまず、漢方薬の効果と副作用の説明を受けておきましょう。
そして飲む時はどんな時で、止める時はどんな時かをきちんと知っておくべきです。
漢方薬と西洋薬の違いはありますがどちらも「薬」なのですから誤った使い方は絶対にいけませんし、合わない薬は健康に害を与えかねませんので、私たちが注意しながら効果的に使っていくことが大事です。
妊婦さんや体の弱い方、体調を崩していたりする方は特に慎重になりましょう。
辛い便秘の時には薬に頼る事もあるでしょうが、クセにならないようにする事を忘れないでください。
大切なことは便秘にならない事ですので毎日の生活から改善したいものです。