前立腺肥大症が便秘の原因だった!その対処と予防方法を紹介
前立腺とは
前立腺は男性のみにある排尿とも関係している臓器の一つです。
栗の実のような形をしていて大きさは3センチ程度あります。
前立腺液と言われている精液の一部を分泌しますが、この前立腺液は精子を保護したり栄養を与える働きをしています。
また、精液を尿道に送る働きもしています。
前立腺は生命を維持するための臓器ではありません。
ですが生殖器として重要な役割を果たしていますので、無くなってしまうと生殖活動が不可能になります。
前立腺と便秘の関係
前立腺の病気に前立腺肥大症があります。
実はこの病気にかかると便秘の症状が起こることがあるのです。
前立腺が肥大することで尿道が圧迫されておしっこが出にくい状態なります。
すると膀胱には尿が溜まり膨れますので、今度は腸が圧迫されて便秘になるというわけです。
また反対に、便秘が症状を悪化させてしまう場合もあるようです。
便秘になり排便の時にいきむことで、前立腺が尿道を圧迫しておしっこの出方が悪くなることがあります。
前立腺肥大症と便秘はお互いに影響しあっているのです。
排尿、排便の障害は前立腺の影響だけでなく、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアといった病気の可能性も考えれられます。
前立腺肥大症の治療
前立腺肥大症は男性ホルモンが関係しているとされています。
症状はおしっこがよく出ない、出ても勢いがない、まだ残っているようでスッキリしない、すぐにも出そうな感じがするなど様々です。
治療方法は薬によるものと手術の2種類があります。
薬物治療
薬による治療は症状が軽い状態の方が効果が現れやすいです。
目的に合わせて使い分けられますが、排尿しやすくする効果のある薬と肥大を抑える薬の2種類です。
前立腺の緊張をほぐす
前立腺の筋肉である平滑筋の緊張をとって収縮を改善してあげる薬です。
緊張がほぐれることでおしっこを出しやすくなります。
前立腺を小さくする
テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの働きを抑えで肥大しないようにする薬です。
薬がホルモンに作用すると前立腺は小さくなり、排尿の障害が改善されます。
外科治療(手術)
前立腺肥大症の症状が重い場合や血尿、膀胱結石、腎機能障害といった合併症が現れた場合には手術がおこなわれます。
内視鏡による手術
内視鏡を尿道から入れて前立腺の肥大した部分を、電気メスを使って切り取る方法です。
数日~10日間程度の入院が必要です。
レーザーによる手術
尿道から内視鏡を入れ、肥大した部分にレーザーをあてて気化(蒸発)させて取り除く方法と肥大した部分を切り取って取り除く方法があります。
数日~1週間程度の入院になります。
開腹手術
前立腺の肥大が大きくて全体を取り除く必要がある場合におこなわれる方法です。
2週間以上の長期入院が必要です。
前立腺肥大症の予防
まず日常生活から注意しましょう。
私たちは健康な毎日を送れるのが当たり前のようになりつつあります。
ですが一度毎日の生活内容を見直した方がよいのかもしれませんね。
改善できることから実行しましょう。
- 食事は偏らないようにバランスよく、刺激の強いものは避ける
- アルコールやコーヒーの飲み過ぎに注意しましょう
- 昼間は水分をこまめに摂り、寝る前は控えるようにする
- トイレに行きたいときは我慢をしないでください
- 長時間座ったままの姿勢にならないように、時々動きましょう
- 体を冷やさないように、服装などに注意しましょう
- 便秘になったら、早めに改善するように心がけましょう
前立腺肥大症と便秘はお互いに影響しあっています。
前立腺が正常になれば便秘が改善されることがあります。
ですが便秘が解消されて前立腺肥大症の症状が軽減することはあっても、治るわけではありません。
前立腺肥大症になってしまったら治療が必要なのです。
自然に治ることもありません。
常日頃から気を付けるだけでも予防効果は高くなり、症状が現れる確率は低くなります。
予防方法も決して難しいものでなく、体に良いことばかりですので習慣にしてしまいましょう。