病気が原因で便秘になっているときの症状と疑われる病名は?
あなたの便秘は病気が原因かもしれません
便秘の原因を考えるときに、一番最初に何を疑いますか?
まず最初に考えなければいけないことは、何かの病気ではないかという事です。
これは他の便秘の原因を疑うより先に考える必要があります。
それは何故かといいますと便秘は多くの病気と関係があるので、あなたが気付かないうちに何かの病気になっていて、その症状の一部が便秘としてあらわれる事があります。
これにあなたは気が付いているでしょうか?
「きっといつもの便秘だね」、「ここのところちょっとお通じがないなぁ」程度に考えていませんか?
便秘になった時にはまず体に変化がないか、そして変化があったときには何が変わったのか知ることが必要です。
そしてこれらの症状が現れたときに大切なことは、自己判断せずに必ず病院で診てもらうことです。
便秘や下痢が長期間続いたり繰り返される
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)
20代から30代に多く、便秘や下痢が長期間続き、そして腹痛がともなう時があります。
また、下痢や便秘が繰り返し起きる事もあります。
原因ははっきりしていませんが、ストレスや食事で症状が悪化することがあります。
吐き気やおう吐をともなう腹痛がある
腸閉塞(ちょうへいそく)
イレウスとも呼ばれている病気で腸に内容物が詰まってしまい排便できなくなります。
突然の刺すような腹痛にくわえて吐き気やおう吐があるのが特徴で、特におう吐の時に吐く物は最初は酸っぱい胃液が出て次に苦い胆汁、そして便の臭いがする物へと症状の進行とともに変わります。
自然に治ることはなく手術が必要になるときがある緊急度の高い病気です。
腹膜炎(ふくまくえん)
通常腹膜は無菌状態ですが、細菌が感染したり打撲や外傷、他の消化器官の合併症などで炎症が起きる病気です。
腹痛にともなって吐き気、おう吐、発熱の症状があり進行すると脱水やショック状態になります。
治療は手術による早期治療が原則です。
腸捻転(ちょうねんてん)
腸がねじれるために内容物が詰まって、お腹の張り、吐き気やおう吐、激しい腹痛が起きます。
30代から50代に多く、症状が進むと腸が壊死(えし)するなどの合併症の可能性があります。
再発することが多いので手術での治療が基本になります。
重い便秘やお腹の張り、おう吐がある
巨大結腸症(きょだいけっちょうしょう)
腸の神経が上手く機能しなくなり、腸がしぼんだままになって便を押し出せないで排便できなくなってしまう病気です。
主に赤ちゃんの病気ですが大人がなることもあります。
治療は下剤で治る場合と手術が必要な場合があります。
寒気、震えをともなう発熱や腹痛、吐き気
骨盤腹膜炎(こつばんふくまくえん)
性行為によるものや子宮内避妊具を長い期間交換しないでいた場合に発症します。
慢性化してくると他の臓器と癒着してしまい下痢や便秘が起こります。
抗生剤による治療や対症療法と手術が必要になる場合があります。
背中、手足の痛み、しびれなどのマヒ症状
脊髄腫瘍(せきずいしゅよう)
背骨に発生する腫瘍のことで、手足がしびれたりマヒ症状が出たりして、背中が痛むこともあります。
おしっこが出にくかったり便秘になったりします。
手術による治療が基本ですが、状況によって放射線や抗がん剤を併用することもあります。
首や肩の痛み、手足のしびれがある
頚椎症(けいついしょう)
40代から50代に発症し首の骨の変形などの原因によって起き、神経が圧迫されて肩や首のこりや痛み、手足のしびれがでます。
脊髄(せきずい)まで圧迫されると歩行に障害をきたしたり、便秘の症状があらわれる。
症状によって薬や温熱療法等の場合と手術が必要の場合があります。
褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)
副腎に腫瘍ができる病気ですが原因がはっきりしないことが多く、遺伝と関係しているとも言われています。
高血圧、頭痛、異常に汗をかく、動悸、胸の痛み、高血糖などの症状があらわれます。
症状だけで判断しにくいので、見落としやすい病気です。
治療は薬剤の投与、手術によって腫瘍を取る方法があります。
筋力の低下や脱力感、多尿、多飲、悪心やおう吐がある
低カリウム血症(ていかりうむけっしょう)
低カリウム血症はカリウムが不足するために、血清中のカリウム濃度が低くなってしまう病気です。
イライラや抑うつ、睡眠障害、便秘などの症状がみられます。
重度になると両手足のマヒや呼吸筋がマヒして呼吸困難になります。
対処療法としてカリウムを多く含んだ食べ物を摂り、食生活の見直しを行います。
体がだるい、やる気が起こらない、寝起きが悪かったり疲れやすい
本態性低血圧症(ほんたいせいていけつあつしょう)
原因がはっきりしない場合の低血圧で人間ドックなどで発見されることがあります。
疲れやすかったり、肩こりや不眠の症状もあらわれたりします。
食事、睡眠などの生活の乱れを改善したり、精神療法や薬による治療がおこなわれます。
指先の腫れ、皮膚が硬くなる、レイノー現象、関節痛がある
全身性強皮症(ぜんしんせいきょうひしょう)
レイノー現象は緊張したり、寒いときに手指が蒼白にな現象です。
症状が進むと食道の損傷で食べ物を胃まで送れなくなり、肺、心臓、腎臓にまで影響がおよぶと息切れ、不整脈や心不全、高血圧になったりします。
薬による治療がおこなわれますが根本的な治療法はまだありません。
下痢、腹痛になったり血便が出たりする
大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)
腸の粘膜の一部が外へ押し出されて起きる病気ですが、症状がでないことが多く軽い腹痛や不快感があったりします。
診断はレントゲンや内視鏡による検査でできます。
治療は薬でこないますが症状によって手術となることもあります。
血便、便が細くなったり残っている感じがする
大腸がん(だいちょうがん)
盲腸・結腸・直腸・肛門からなる大腸にできるガンです。
下痢と便秘を繰り返すこともあり、お腹にしこりがあったり、張った感じがしたりすることがあります。
血便になることが多いのですが、痔と勘違いしないように注意が必要です。
内視鏡治療や手術、放射線治療、抗がん剤による治療がおこなわれます。