便秘解消に効く食物繊維を含んだ食品はどんな種類があるか知っておきましょう
食物繊維について
食物繊維は人間の消化酵素で消化されない食事中の難消化性成分の総体と定義されていますので、消化されないで腸まで届く成分といえます。
私たちは食物繊維のことをよくファイバーと言ったりしていますが正式にはダイエタリーファイバーとも呼ばれ、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けることができます。
水溶性食物繊維は腸の中で善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしてくれるので腸内環境が整えられます。
また糖質の吸収を穏やかにしますので、食事のあとの血糖値の上昇をおだやかにして、糖尿病の予防に効果的です。
さらに血液中のコレステロールを減らしてくれますので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を防ぐ働きがあります。
その他にも有害物質を吸着して体の外へ運んだり、便を柔らかくして排泄しやすくします。
不溶性食物繊維は水に溶けにくく、水分を吸収して便の量を増やしますので腸が刺激されて便を押し出そうとする働きが活発になり排便を助けてくれます。
そして便の量が増えて腸の中を通過する時間が短くなることで毒素がたまりにくくなり、ガン発症の低減に効果があるとされています。
不溶性食物繊維を多く含んだ食品を食べると自然と噛む回数が増えるのと、水分を含む働きがありますので胃や腸でふくらんで満腹感が得られますから食べ過ぎの防止によいかもしれません。
食物繊維の1日当たりの目標量は18歳以上の男性で19g以上、女性が17g以上となっています。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の摂る割合は不溶性2:水溶性1が理想です。
バランスは大切で不溶性食物繊維が多すぎますと便の量は増えますが硬くなりやすいのです。
ですから不溶性食物繊維を摂るときは必ず水分も十分に摂るようにしましょう。
逆に水溶性食物繊維が多すぎますとお腹がゆるくなることがあり、下痢になると大切なミネラルまで排出されてしまいますので気を付けてください。
食品で補うには
食物繊維を含んだ食品はたくさんありますが動物性食品である肉類や魚介類にはほとんど含まれていませんし、チーズやバター、ヨーグルトといった乳製品や卵にも含まれません。
穀類、果物、野菜、海藻類、いも類、豆類、きのこ類、種実類などの身近にある食べ物から摂ることができます。
これらの食品には水溶性と不溶性の両方が含まれていますが、ほとんどの食品は不溶性食物繊維の方が多く含まれていますので水溶性食物繊維が不足しやすいと言えます。
食物繊維が多く含まれる食材を覚えておいて、食事の際に意識して食べるように心がけましょう。
食物繊維の多い食物と含有量
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を多く含む食物と100gあたりの含有量
種類 | 食物 |
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穀類 | オートミール9.4g、押麦9.6g、ライ麦パン5.6gなどのパン類、コーンミール8g |
果物 | 干しプルーン7.2g、干し柿14g、アボカド5.3g、キンカン4.6g、ブルーベリー3.3g、キウイフルーツ2.5g、干しぶどう4.1g |
野菜 | 干ぴょう30.1g、切干だいこん20.7g、エシャロット11.4g、しそ7.3g、パセリ6.8g、ごぼう6.1g、ゆりね6.0g、グリーンピース5.9g、にんにく5.7g、芽キャベツ5.2g、オクラ5.2g |
海草類 | 寒天(乾)74.1g、ひじき(乾)43.3g、青のり(乾)38.5g、わかめ(カット)35.6g、こんぶ(乾)31.4g |
いも類 | さつかいも3.5g、しらたき2.9g、やまといも2.5g、さといも2.4g |
豆類 | インゲン豆13.3g、ひよこ豆21g、あずき(乾)17.8g、大豆(乾)17.1g |
きのこ類 | きくらげ(乾)57.4g、干ししいたけ41g、エリンギ4.3g、しめじ3.7g、マッシュルーム3.3g |
種実類 | ごま12.6g、アーモンド11.9g、ピスタチオ9.2g、くるみ7.5g、落花生7.2g、カシューナッツ6.7g |
漬物類 | たかな漬け5.2g、からしな漬け5.0g、ザーサイ4.6g、しば漬け4.4g、なすのからし漬け4.2g |
調味料 | 酒かす5.2g、カレー粉36.9g、みそ4.9g、ドライイースト32.6g、とうばん醤4.3g |
水溶性食物繊維が多い食物
種類 | 食物 |
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穀類 | 押麦、オートミール、パン類 |
野菜 | エシャロット、にんにく、ユリ根、ゴボウ、あしたば、芽きゃべつ |
果物 | 干しプルーン、アボカド、きんかん、干し柿、干しぶどう |
いも類 | さつまいも、やまいも、さといも、やまといも、じゃがいも |
豆類 | 納豆、きな粉、大豆、インゲン豆、おたふく豆 |
きのこ類 | なめこ、しいたけ、えのきだけ、エリンギ |
種実類 | ごま、ピスタチオ、カシューナッツ、アーモンド |
漬物類 | 梅干、らっきょう甘酢漬け、なめたけ、からし菜漬け |
不溶性食物繊維が多い食物
種類 | 食物 |
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穀類 | もうもろこし、オートミール、押麦 |
野菜 | 干ぴょう、切干だいこん、しそ、パセリ、グリーンピース |
果物 | 干し柿、ラズベリー、干しプルーン、アボカド |
いも類 | さつまいも、こんにゃく、やまといも、しらたき |
豆類 | えんどう豆、あずき、大豆、きな粉、インゲン豆 |
きのこ類 | きくらげ、エリンギ、干ししいたけ、えのきだけ |
種実類 | 干しプルーン、干し柿、ラズベリー、アポガド、干しぶどう |
漬物類 | しば漬け、たかな漬け、ザーサイ、からし菜漬け |
サプリメントで補うには
便秘と下痢が繰り返される痙攣性便秘(けいれんせいべんぴ)の場合にはサプリメントで多くの食物繊維を摂るのは控えた方がよいでしょう。
また、サプリメントに含まれる食物繊維が水溶性なのか不溶性なのかを知っておくことは大切です。
特に便の硬い方が不溶性の食物繊維を摂りすぎるのは、さらに便を硬くしてしまい良くありませんので注意してください。
そんな方は水溶性の食物繊維を含んだサプリメントを摂るようにするのが良いです。
また食物繊維以外にも便秘に働きかけてくれるさまざまな種類のサプリメントがありますので、使うときには量や方法をきちんと守ってください。
もし異常があったらすぐに使うのをやめましょう。
水溶性食物繊維・・・難消化性デキストリン、イヌリン、ペクチン、グルコマンナン
不溶性食物繊維・・・リグニン、キチンキトサン
複合型食物繊維・・・ビートファイバー
特定保健用食品で補うには
最近は特定保健用食品(トクホ)も青汁などいろいろな種類のものが販売されていますので、摂取しやすくなりました。
トクホは一定の効果や作用があると認められていますので摂り方しだいでは効果が期待できます。
ですので、どんな効果や作用があるかをよく知った上で上手に使うとよいでしょう。
食物繊維もどんなものが含まれているのかを知っておく必要があります。
トクホは確かに薬ではありませんが、多く摂り過ぎたりすることのないように量に注意してください。
またお腹がゆるくなったり合わない場合には量を減らしたり、摂るのを休んだりした方が良いと思います。